人口減少社会と鉄道(毎日新聞)

オピニオン欄掲載の、待鳥聡史・京都大教授による「関西政治ウオッチ」。先にJR北海道が路線の半分以上の単独運営が困難と発表したことについて、今後進む人口減少の中で、もはや鉄道を「乗って残す」ことが困難になるとの論考だ。「『見たいものだけを見る』のではなく、『見たくないものを見る』ことこそ、今日の政治や行政の大きな使命である」との指摘は、的を射ている。

 

日本は既に人口減少期に入り、「限界集落」「消滅可能性都市」などの言葉が注目を浴びている。政府は「地方創生」などの施策を通じ人口維持を図ろうとするが、根本的な打開策は見えない。

漠然と感じていた人口減少への不安は、ここ数年で現実のものとして見えつつある。企業関係者に話を聞くと、人手不足が深刻な問題という。また市町村合併で周辺部になった地域では急激に過疎高齢化が進み、地域の活力を維持するのは困難を極めている。私たちの根源的な発想はまだ右肩上がりの成長期のそれから抜け出せていない。多くの自治体が実現不可能な人口プランを策定するのも、「もしかしたらまだうまくいくかもしれない」という淡い期待からかもしれない。

だが現実はもう我々の社会を脅かしている。そんな中、最近は長時間労働の弊害が指摘され「働き方」の変革も求められている。人口減少を鏡として、これからの日本社会をどう描いていくのかが問われている。